多くの基準と条件を、読み解く。
設計・品質・施工の基準、示方書、発注者の要領。版や適用条件を確かめながら、案件に必要な根拠を探す必要がありました。
橋梁設計の経験を、若手技術者がたどれる知識へ。AIKNOW Projectで、技術基準と過去の設計資料をつなぎ、技術の継承と日々の業務を支える基盤を構築した事例をご紹介します。
橋梁設計では、技術基準の理解に加え、設計条件の読み解きや、過去の案件で培った判断の経験が求められます。計算書、図面、報告書などの複雑な資料から、必要な情報とその背景を確かめることが、日々の業務を支えます。
本事例では、こうした知識を若手技術者が使える形にするため、約500点の技術基準・規準資料と、20年以上にわたって蓄積した設計資料をナレッジ化。設計の根拠をたどり、組織に蓄積された経験を学べる環境を整えました。
橋梁の設計資料は、計算書、図面、技術基準、施工・架設の条件などが複雑に関係します。資料を見つけるだけでなく、適用する条件と過去の判断を理解するために、長年の専門経験が必要でした。
設計・品質・施工の基準、示方書、発注者の要領。版や適用条件を確かめながら、案件に必要な根拠を探す必要がありました。
過去の計算書、図面、報告書があっても、類似の条件や判断をたどるには、案件ごとに資料を探し直す作業が必要でした。
基準の解釈や過去の検討は、経験豊富な技術者への確認に頼る場面も。若手が根拠をたどり、自ら学べる仕組みが求められていました。
最初に取り組んだのは、設計技術者が質問できるKnowledge Baseの構築です。橋梁に関する技術基準と過去の設計実績を取り込み、原文の根拠を確かめながら使える知識に整理しました。
橋梁設計の技術基準、示方書、品質・施工に関する規定、要領など、約500点の資料。条文と適用条件を確かめるための共通の知識を取り込みました。
20年以上にわたって蓄積された、過去の橋梁の設計計算書、図面、報告書など。類似する条件、採用した設計と検討の経緯をたどれるようにしました。
「何が規定されているか」と「過去にどう適用したか」を関連付け、回答と参照元を提示。若手技術者も、資料と実例を行き来しながら判断の背景を学べる環境を整えました。
資料名や保管先を知っていることを前提にせず、知りたいことを言葉で質問。回答を入口に、技術基準と実際の設計資料を確認する使い方を組み込みました。
「この照査は、どの基準に基づいて必要になる?」
関連する技術基準と参照ページを確認し、どの条件について説明されているかをたどります。一般的な説明だけでなく、社内で利用する資料を根拠に学べます。
「類似する設計条件では、過去にどのように検討した?」
ナレッジ化した設計実績から、条件に関係する計算書や図面、報告書を参照。過去の採用例だけでなく、前提と検討の経緯も確かめられます。
「この条件は、どの協議で、なぜ変更された?」
会議記録、メール、文書、タスクを横断し、案件の変更経緯を確認。拠点が異なるメンバーも、同じ記録をもとに背景を理解できます。
質問と画面は、使い方を説明するための例です。実際の案件名・設計条件・回答内容は掲載していません。技術者が原文と適用条件を確認し、設計の判断に使います。
東京オフィスと大阪オフィスの2拠点をつなぐオンライン会議の記録に加え、メール、チャット、プロジェクト管理ツールを接続。資料に残る設計の結果だけでなく、その判断に至った議論や合意も、案件の文脈で確かめられるようにしました。
判断と背景をナレッジに
会議の文字起こしや議事録を取り込み、決定事項とその理由を、設計資料とともに参照できるようにしました。
メールやチャットに残る合意、確認事項、変更の連絡を、同じ案件の文脈で扱います。
会議で整理された対応事項を、担当・期限・タスクと関連付けて確認。役割に合った議事録と、その後のフォローに活用しています。
設計ナレッジを質問できる環境に、日々の業務の記録とプロジェクト管理を接続。技術者が根拠を調べる場面から、チームが進捗と課題を確認する場面まで、同じ知識を活用できる基盤を整えました。
技術基準・過去の設計資料
メール・チャット
管理ツール・会議の記録
ナレッジベース・権限管理
問いへの回答・レポート
会議・プロジェクト管理
根拠と経験の確認
判断・対応・進捗の把握
東京オフィス・大阪オフィスの約50名が、役割とアクセス権限に応じて必要な知識を業務で活用。
基準と過去の実績を横断して質問し、回答の根拠へたどれる環境を提供しています。
担当者は自分の作業を、PMは案件の課題を、部門長は全体の状況を確認できます。
部門・担当プロジェクト・利用者の権限に沿って、参照するナレッジと共有する情報の範囲を管理します。
長年の資料を保管するだけの状態から、技術者が日々の問いで使える基盤へ。過去の設計と現在のプロジェクトを、同じナレッジの中で扱える環境を整えました。
設計の問いから、基準と過去の例にアクセス。なぜその確認が必要かを、原文と案件の記録から学べます。
計算書や図面に残る検討と、会議に残る判断を関連付け。経験豊富な技術者の知識を共有する土台にしました。
会議や変更の記録も継続して蓄積。担当者や参加者が変わっても、案件の背景を確認できます。
技術資料、過去の実績、日々の判断をどうつなぐか。
知識の継承と業務での活用について、ご相談ください。